蝦夷日記

機会費用考えてから読んで

第二外国語にドイツ語をとってみた

 ドイツ語の勉強を進めるにつれて、ドイツ語ではなく英語の魅力がわかってくるようになる。ドイツ語の文法の面倒くさいところを、英語はほとんど取っ払ってくれているのである(ネットの信用ならない情報によると、ドイツ語→オランダ語→英語の順で派生したらしい)。そりゃあ国際言語になりますわ。

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俺はドラえもんを超えた

 まず名詞に性がある。名詞一個一個に「性」が振り分けられているのだ(例えばコンピュータは男性名詞、マウスは女性名詞)。これは西方の言語を学ぶにあたってちょっと覚悟していたことだが、ここまで面倒くさいとは。フランス語は男性・女性の区別しかないのに、ドイツ語にはさらに中性もあるのだ(ドイツはバイセクシャルに寛容である)。そして名詞が男性か女性か中性か複数形かによって、代名詞はもちろん、名詞の前につく冠詞のつづりも変化するのである!!

 さらに名詞の格にもキビシイ。名詞が主格か属格か与格か対格かによってこれまた冠詞が変化する(「ある犬が」はein Hundであるが、「ある犬を」はeinen Hundである)。

 つまり、ドイツ語の冠詞は名詞の性と格によって4×4=16回の変化を残しているフリーザなど雑魚である(あと前置詞によっても冠詞のつづりが変わる)。

 あと名詞の複数形のルールも複雑で迷惑極まりない。英語では適当に語尾にsをつけておけば堂々と複数形を名乗れたが、ドイツ語では語尾にeをつける、enをつける、sをつける、その他のつづりが変化するなど様々なパターンが存在。

 英語では名詞のつづりと発音を覚えれば「その単語を知っている」と言えるが、ドイツ語ではそれに加えて名詞の性と複数形を覚えなければならないのだ!!

 

 ドイツ語は動詞にも厄介なルールがある。すなわち人称変化である。主語によって動詞の形が変わるのである。例えば英語のbe動詞は、主語によってamとかareとかisとか形を変えるだろう。これと同じ現象が、ドイツ語では全ての動詞で起こる(助動詞がつく文では助動詞のほうが変化)。変化の仕方は規則的であるものの、一部例外があり、そっちを覚えるのが面倒くさい。逆に言えば、英語はそのような煩わしいルールをほとんどの動詞で撤廃し、極度に効率化された言語なのである。

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「アルバイト」はドイツ語のarbeitに由来

 

二人称が二種類ある。すなわちdu(複数形ihr)とSie。duは友人や年下の相手に使うやつ、Sieは先生や年上の相手に使うやつ。こいつのせいで動詞の人称変化の種類も増えるので腹が立つ。英語のI, my, me, mineのようにドイツ語の代名詞も主格・属格・与格・対格によって変化するので、そっちの暗記量も増える。英語の“you”を見習え。

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 前置詞にも不愉快極まりないルールが存在している。すなわち「定冠詞との融合形」である。特定の前置詞が、定冠詞と融合して1単語になるのである。あんまりよい説明が思い浮かばないので詳しくは省略。

 

 最後に数字のルールをご紹介。英語で2はtwo、20はtwenty、よって22はtwenty-twoである。ドイツ語で2はzwei、20はzwantig、よって22はzwantig-zwei……ではなくzweiundzwantigである。つまり、「二十二」のことを「二と二十」と言っているのである。なんで一の位からだよ。しかもドイツ人は電話番号を二桁ずつ言っていく、つまり「4649」を「46と49」に分けて「6と40、9と40」という風に言い表すからもう駄目である。

 

 とりあえず既習の範囲でクソだなーと思ったドイツ語の文法は上みたいな感じです。あと単語が長いとか動詞が分離するだとか、全部上げてるとキリがない。英語は素晴らしいですね。非ネイティヴのことを考慮していない文法を全部排除してくれています(面倒くさい文法が読解のときに役立つこともあるけどね)。

 でも、こうして第二外国語を学んでいると、英語や日本語の特徴みたいなのが分かっておもしろーい!!ドイツ語を勉強すると、今まで不可解で仕方なかった英文法の意味が分かってきたり。というかドイツ語先にやらせてくれたら多分英語の習得もっと早かったで。語順以外は完全にドイツ語の簡易版やん。文部省は幼稚園の教育にドイツ語を取り入れろ。